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奥能登の能登町の谷あいに、「ケロンの小さな村」という施設があります。
このケロンの小さな村がある場所は、元々30年以上耕されることがなかった耕作放棄地。
その耕作放棄地を使って、2006年から元高校の校長先生と奥さんが村作りを始めます。
今では、ケロンの小さな村の村内は、手作り感満載の遊具やツリーハウスがあったりとメルヘンであふれています。
その為、子供向けと思われるかも知れませんが、個人的には大人に是非薦めたい施設です。
そんなケロンの小さな村の村内と大人におすすめな理由を少し紹介いたします。
ケロンの小さな村の中は、ツリーハウスや水車小屋、田んぼにハーブ園とまるで絵本の世界。
加えて、村内の施設は手造り感が強く、素朴感や温かみを感じる作りになっています。
絵本の世界というと、子供向けのように思われるかもしれませんが、決してそんなことはありません。
そもそも絵本は、教訓や気づきなどが含まれていることが多いですよね?
その上、絵本では言葉は最小限に抑えられているので、読みこなそうとすると右脳を使った想像力が求められます。
普段の日常生活では、言葉や数字などの論理性を担当する左脳を、どうしてもかたよって使いがちです。
その想像力を鍛えるには、例えば本を読むなど、日常から距離を置くことが良いとされています。
その点、ケロンの小さな村はあきらかに非日常空間です。
また、村内の遊具や施設などには、いちいち説明書きはありません。ある程度の想像力が必要となります。
そんなケロンの小さな村を絵本の世界の様と書きましたが、実際に2冊の絵本になっちゃってます。
一冊は、「おんどろ森のふしぎな泉 」という絵本です。
カエルのケロンと里山に暮らす小さな生き物達との枯れた泉をめぐる冒険物語となっています。
もう一冊は、「とがのき山のゆかいな学校」という絵本。
実際にケロンの小さな村で起こったミミズクの子育てと旅立ちをモデルとしています。
ケロン村の仲間と学校を作ることを目指すなかで、失敗しながらも成長していくストーリーです。
最近、想像力を担当する右脳を使っていないという大人のあなた。
リアル絵本として、ケロンの小さな村は、大人にこそおすすめです。
ケロンの小さな村では米粉生地のピザ作りが体験できます。
この生地の米粉は村内の「ケロンの田んぼ」で栽培されたコメを自家製粉したもの。
体験型は、子供大人関係なく楽しい。
ということで、家族3人でピザ作りを体験してきました。
ピザプレートの上に生地を伸ばして、その上にケロンの小さな村特製のピザソースを塗ります。
今回のソースはトマトソースとクレソンのソースのハーフ&ハーフを選びました。
その上に、具材をトッピング。
具材の野菜は、村内で収穫されたものを使用。
意外とバランスよくソースを塗ったり、具材を配置するのが難しい・・・。
村長の奥さんの純子さんが優しく教えてくれますので、心配なく。
それが終わったら、ヘラクレスと名付けられた石窯でピザを焼き上げます。
間伐材の薪がパチパチはぜる音が心地よく、ずっと見ていられます。焚火をじっと見てしまうのと同じです。
ちなみにそばで見てなくても、焼き上がるとマイクで知られてくれるようです。
別の組の人たちは焼き上がると呼ばれていました。
で、完成!
ここまで、所要時間は約30分。
生地が米粉なので、モッチモチです。
焼きたて、出来たてはやっぱりおいしい。
ちなみに持ち帰りも出来ますが、保存料を使っていないため、なるべく早く召し上がってほしいとのことです。
【米粉ピザ作り体験注意点】
体験できるのは、土日(GW,お盆営業を含みます)。
予約は基本必要ありません。が、10名以上の場合は事前に問い合わせが必要。
体験型は、知っているだけの状態から、実際に体験してアウトプットするから楽しいのだと思います。
ケロンの小さな村でのピザ体験は、所要時間が約30分の手軽にアウトプットが出来ます。
この点も大人におすすめです。
このケロンの小さな村は元々、絵本のような世界観を作ることを目的とはしていませんでした。
「たべる人、つくる人、そだてる大地」の三者が健康である農業(三者健康農業)を追求している過程で、ケロンの小さな村が出来たそうです。
この三者健康農業の考え具体化として、ケロンの小さな村では4つのことにこだわっているそう。
【自家製粉の米粉の使用へのこだわり】
米の消費量とつくる人の減少への危機感から、地元産の米粉の使用で少しでも現状を変えることが出来ればと考えているそうです。
村内のピザとパンの生地は、ケロンの田んぼで収穫された米を自家製粉したものを使っています。
【地産地消へのこだわり】
地産地消で、能登の里山農業を守る。
果実や野菜は、ピザとパンの素材に。クレソンやバジルはピザソースに使っています。
【保存料を使わないことへのこだわり】
「たべる人、つくる人、そだてる大地」を理念としているケロンの小さな村では、つくられるパンに保存料は使っていません。
保存料を使用していない為、販売は村内のみで、週末土日のみ。
早めに召し上がって貰う必要があります。
【石窯を使うことへのこだわり】
石窯そのものというより、燃料として使う間伐材へのこだわりでしょう。
但し、石窯の遠赤外線でピザを焼くので、絶品です。
間伐を行わない森では木々が混みあい、二酸化炭素の吸収力が低下します。また、太陽光が地面に当たらない為、土地がやせ衰えてしまいます。
里山農業を維持するには、間伐が不可欠なんです。
「たべる人」の健康は普段、気にする大人は多いと思いますが、「つくる人・そだてる大地」を意識する機会は少ないと思います。
ケロンの小さな村は、大人が「つくる人・そだてる大地」のことを考える良い学びの場です。
本当に田舎の奥能登にある「ケロンの小さな村」は、手作りで温かみがあり、絵本の世界のようです。
一見、子供向けのように感じる村内も、大人が違った角度から見ると、まさにリアル絵本です。
絵本から何を学び、何を感じるかは読む人の自由です。
そんな絵本と同じように、大人こそ色々学んだり、感じ取る場として、ケロンの小さな村をおすすします。
施設名 | ケロンの小さな村 |
住所 | 石川県鳳珠郡能登町斉和た部26 |
電話番号 | 0768-62-1471 |
営業日 | 土日のみ(GW・お盆は営業)
月~金はピザやパンの販売はしていませんが、村内での遊びや散歩は自由 ※12~3月が積雪の為、休業 |
営業時間 | 10:00~17:00 |
料金 | 入村は無料。ピザ体験 900円/人 |
駐車場 | 約10台(無料) |
【MAP】