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金沢の新名所 鼠多門(ねずみたもん)の4つの見どころ・名前の由来をご紹介!

金沢に観光で訪れるなら

どこに行ってみますか?

兼六園?東茶屋街?21世紀美術館?

 

金沢は観光名所が比較的コンパクトにまとまっており、

周遊しやすい街と言えます。

 

この記事では、2020年に復元され、新名所となった

金沢城 鼠多門と鼠多門橋を

ご紹介しています。

 

鼠多門は、金沢らしさを備えていると同時に

用いられている様式は、

鼠多門独特で、日本で他に例が無いものだったりします。

その姿は、江戸初期の風景をしのばせるもの。

 

また、同時に復元された鼠多門橋が、

元々コンパクトな金沢市内の

観光名所間の回遊性を一層高めており、

利便性も良くなりました。

 

このページでは、

 

  • そもそも鼠多門とは?
  • 鼠多門のおススメ見どころ
  • 鼠多門の名前の由来
  • 鼠多門復元は実は金沢城ではレアケースの復元
  • 鼠多門・鼠多門橋の復元で加賀百万石回遊ルートが誕生

を紹介しています。

 

金沢の伝統技術により、

史実性高く復元された鼠多門を

観光先のひとつに加えてみませんか?

 

鼠多門とは?

 

鼠多門は、金沢城に存在した

2階建ての櫓門(やぐらもん)です。

 

鼠多門が、建立された詳しい年代は不明。

ただ、史料などから、江戸初期に建てられたと

推測されています。

 

江戸期の数度の大火でも焼け落ちませんでしたが、

明治17年に焼失。

 

鼠多門がある場所は、

金沢城の西の城郭 玉泉院丸のそば。

鼠多門のすぐそば!立体的で独創的な庭園、玉泉院丸庭園にも寄ってみよう!季節ごとに変わるライトアップも見ものです。

2020年に復元された鼠多門の側には、独創的な庭園、玉泉院丸庭園があります。玉泉院丸庭園は、加賀藩の歴代藩主に愛されたとされる庭園。金沢城の新名所 鼠多門と合わせて巡ってみては如何ですか?

 

鼠多門橋で、鼠多門と金谷出丸が

結ばれています。

 

 

金沢城公園の玉泉院丸庭園

鼠多門の側には、現在は玉泉院丸庭園があります。こちらも見どころ十分です。

 

金谷出丸には、金谷御殿と呼ばれる

加賀藩主の別邸がありました。

 

別邸というくらいですから、

プライベートな空間の意味合いが強かったそう。

 

金谷出丸は、現在は、

藩祖前田利家を祀る尾山神社となっています。

 

尾山神社の神門

旧金谷御殿後に創建されたのが尾山神社

 

プライベートな空間だった

金谷出丸から玉泉院丸への

出入り口の役割を担う門が鼠多門だったのです。

 

鼠多門から尾山神社を望む

歴代加賀藩主も、鼠多門から金谷御殿をこんな風に見ていたかも

 

そんな藩主のプライベートな空間につながる

鼠多門や鼠多門橋ですから、

当然、一般の人が通るということは

出来なかったのでしょうね。

 

鼠多門側の番所跡

鼠多門の側には番所

 

ごく限られた人たちのみが通ったのが

鼠多門なのです。

 

そんな鼠多門の見どころを以下でご紹介。

 

鼠多門のおススメ見どころ

鼠多門

 

新名所 鼠多門で、おススメの見どころは、

  • 鼠多門が建てられている場所
  • 無二の存在の鼠多門の黒漆喰(くろじっくい)
  • 威容を増す鼠多門のライトアップ
  • 金沢の伝統工法による復元

 

の4つ。

 

これらを、もう少し詳しくご紹介。

 

鼠多門が建てられている場所を三御門と比べてみる

 

鼠多門の見どころのひとつが、

鼠多門は、城壁の連続した石垣の上

直接建てられているということ。

 

これは、金沢城の三御門とは

異なる建てられ方で、鼠多門だけ

 

※三御門:金沢城の「河北門」・「橋爪門」・「石川門」の総称。

 

城壁の石垣の上に建つ鼠多門

城壁の連続した石垣の上に直接建てられた鼠多門

 

今回復元された鼠多門も、

城壁の連続した石垣の上に復元されました。

 

石垣の上に復元される鼠多門

石垣の上に、復元工事中の鼠多門。

 

復元工事中の鼠多門

 

建てられている場所に注目して、

金沢城の三御門と比較してみると、

個性的な鼠多門の姿を楽しめますよ。

 

鼠多門の黒漆喰は、無二の存在

 

金沢城の鼠多門

 

そして、鼠多門の一番の見どころは、

黒色で仕上げられた海鼠壁(なまこかべ)。

 

※海鼠壁:壁に貼り付けられた平瓦の継ぎ目を覆う漆喰を

半円状の形に盛り上げた壁

 

鼠多門、色が超個性的です。

 

それもそのはずで、城郭建設で、

黒色の海鼠漆喰が使われた例は

金沢城以外では確認されていないのだとか。

 

鼠多門側面の黒い海鼠漆喰

 

金沢城での発掘調査でも

黒い海鼠漆喰が見つかっています。

 

また、明治時代初めの写真からも、

鼠多門の漆喰は、黒色であったことが

裏付けられているそうです。

 

鼠多門と鼠多門橋の古写真

 

この黒い漆喰は、

炭を混ぜて黒色にした漆喰を、

わざわざ白い漆喰の上に塗り重ねるという

手の込んだもの。

 

白い海鼠漆喰

一般的な白い海鼠漆喰

 

鼠多門の黒い海鼠漆喰

鼠多門の黒い海鼠漆喰

 

黒い城と言えば、

長野県の松本城や熊本県の熊本城などが

有名ですよね。

 

松本城

松本城

 

松本城や熊本城が黒いのは、

漆喰が黒いのではなく、

黒い板壁が使われているためなんです。

 

黒漆喰を使って、

黒く海鼠壁を仕上げているのは

金沢城の鼠多門だけ。

 

鼠多門の黒海鼠漆喰

鼠多門の黒い海鼠壁が必見

 

日本の城では例が無い、

鼠多門の黒い海鼠壁が

おススメの見どころです。

 

ライトアップで表情を変える鼠多門

 

ライトアップされた鼠多門

 

日中とは異なった表情を見せる

鼠多門・鼠多門橋の

ライトアップもおススメ。

 

ライトアップされた鼠多門は、

幻想的というよりも、

重厚な威容といった雰囲気を醸し出します。

 

鼠多門と鼠多門橋のライトアップ

 

鼠多門のライトアップ

 

明るく華やかな印象を印象を受ける

金沢城の三御門のライトアップとは、

非常に対照的。

 

ライトアップで、鼠多門の黒漆喰が、

異質な存在であることを、一層際立たせます。

 

石川門のライトアップ

三御門のひとつである石川門のライトアップ。白漆喰が華やかな雰囲気にします。

 

鼠多門のライトアップ

金沢城の三御門と比べると重厚な雰囲気の鼠多門

 

ライトアップされた

白い海鼠壁の三御門と黒い海鼠壁の鼠多門を

是非見比べてみて下さい。

 

【金沢城】金沢観光の定番 知っておくと倍楽しめる「門」のこと

金沢城には、御三門と呼ばれる、金沢城を代表する門があります。また、多くの人が知っている東大のあの門も、加賀藩ゆかりの門なんです。

ライトアップは、

 

毎週金・土曜及び祝前日などの

日没から午後10時まで。

 

 

鼠多門で用いられている金沢の伝統工法

 

復元された鼠多門

 

復元された鼠多門には、

多くの金沢の伝統工法が用いられており、

こちらも見どころ。

 

その一つが、屋根瓦。

鼠多門の屋根瓦には、一般的な粘土瓦ではなく、

鉛瓦が使われています。

 

鼠多門の復元工事中の様子

復元工事中は、見学台から作業の様子を見ることが出来ました

 

鼠多門の鉛瓦葺きの様子

 

鼠多門の鉛瓦工事の様子

鼠多門での鉛瓦葺きの様子

 

実は、金沢城は、江戸城と並んで

伝統的に鉛瓦が使われている城

として有名なんです。

 

鼠多門の鉛瓦

鼠多門の鉛瓦には、もちろん前田家の家紋 加賀梅鉢

 

鼠多門だけでなく、金沢城の門・櫓・塀など

到るところに、鉛瓦が使われています。

 

この鉛瓦は、雨や雪と化学反応を起こし、

色が白く変わるんですよ。

この現象は、白化現象と呼ばれます。

 

金沢城菱櫓

金沢城の菱櫓も、白化現象で鉛瓦が白くなっています

 

鼠多門以外の金沢城の門や櫓の屋根を見ると

雪が積もっている訳でもないのに、

白く見えることに気付くと思います

 

金沢城石川門

白化した鉛瓦の石川門と満開の桜

 

鼠多門の鉛瓦

葺かれて間がない鼠多門の鉛瓦。まだ白化していません。

 

鉛瓦が白化する前の鼠多門と

鉛瓦が白化した他の門や櫓との

コントラストを楽しめるのは、

金沢城の特徴と言えます。

 

鼠多門の復元された石垣

 

鼠多門では

発掘された石垣や礎石を

そのまま使用しています。

 

鼠多門だけでなく、金沢城では石垣の多くで、

伝統的に戸室石という石が使われています。

 

この戸室石、

 

  • 金沢近郊の戸室山が名前の由来
  • 耐火性、耐候性、凍結に強い
  • 色は赤、青灰色(ブルーグレー)やその間の色など
  • 金沢城の石垣、兼六園の雁行橋に使われている

 

という、金沢を代表するような石なんです。

 

鼠多門でも、この戸室石を使って、

石垣を復元しています。

 

鼠多門がある金沢城は、石垣の種類の多さから、

石垣の博物館と呼ばれるほど。

 

鼠多門の石垣

 

そんな、石の博物館と呼ばれる

金沢城の鼠多門の石垣も

見どころのひとつです。

 

 

鼠多門内部

(写真提供:石川県観光連盟) 鼠多門の内部

 

鼠多門の内部の、ねじ・くぎを使わない

伝統工法も必見です。

 

無料公開されている

鼠多門の内部の2階で

その様子を見ることができます。

 

そこでは、ねじやくぎを使わず組まれた

実際の梁や柱を目の前に見ることが

出来ます。

 

鼠多門の内部

 

鼠多門内部の伝統工法

 

鼠多門内部の伝統工法

 

木の特性を活かして、

木材同士をつなぎあわせ、

しっかり固定されている様子が

よく分かります。

 

鼠多門内部の伝統工法

 

鼠多門に用いられている

伝統工法に感嘆しますよ。

 

なぜ、鼠多門(ねずみたもん)という名前?

 

鼠多門ライトアップ

 

それにしても、鼠多門という名前、

少し変わった名前だと思いませんか?

 

何故、鼠(ねずみ)?

 

この鼠多門という名前の由来については、

主に2つの説が伝えられています。

 

それは、

 

  • 建設中に土から鼠が出てきたから、という説。
  • 門の壁の色が鼠色だったから、という説。

 

 

金沢城での発掘調査では、

黒色の海鼠漆喰が確認されています。

 

そこから、海鼠壁が黒色だったと

考えられています。

 

でも、当時使われていた天然の顔料だと、

現代のイメージの真っ黒とまでにはならず、

鼠色っぽい色だったとか。

 

金沢城鼠多門

 

そうしたことから、鼠色に近い色の壁だったことに

由来して、鼠多門と名付けられたという説が

有力になりつつあります。

 

鼠多門は金沢城ではレアな江戸前期の姿に復元!

 

金沢城鼠多門

 

復元された鼠多門は、

江戸前期の姿で復元されています。

これ、実は、金沢城では非常に珍しいんですよ。

 

橋爪門や五十間長屋など

金沢城で復元された多くは、

江戸時代後期の姿で復元されているんです。

 

金沢城橋爪門

復元された橋爪門(はしづめもん)は、1809年の再建時の姿。石垣もカラフルでしょ?

 

金沢城の復元事業で

江戸後期の姿が多いのは、

決まり事があるためなんです。

 

それは、

遺構を確認すること、

資料が存在すること、

往時の材料や工法によること。

 

つまり、推定では進めずに、

史実性の高い復元を行うという決まり事です。

 

鼠多門内部の伝統工法

鼠多門も伝統工法を用いて復元されています。

 

橋爪門や五十間長屋などは、

1759年の宝暦の大火で焼失。

 

1808年の文化の大火でも、再び、

橋爪門・五十間長屋が焼失しています。

 

金沢城五十間長屋

五十間長屋(ごじゅっけんながや)も1809年の再建時の姿を復元

 

その為、発掘調査・古文書・明治期の古い写真等で

確認が出来るのは、焼失後に

再建された姿であることが多いんです。

 

また、江戸後期の姿への復元を進めるにつれて、

突然、江戸初期の建物を復元すると、

既に復元した建物との整合性の問題が発生することに・・・。

 

そうしたことから、金沢城の復元事業は、

江戸後期の姿に復元されることが多いんです。

 

金沢城河北門

河北門(かほくもん)は1772年に再建されたものを復元

 

一方、新名所の鼠多門は、

江戸初期の姿で復元されています。

 

鼠多門は、建てられた時期は

はっきりとは分かっていません。

 

しかし、古い絵図で、江戸初期には

鼠多門は、既に建てられていたことが

確認されています。

 

また、金沢城の建物の多くが焼けた

1759年の宝暦の大火でも、

焼けませんでした。

 

火事

 

鼠多門は、明治時代に焼失するまで、

修理を重ねながらも、

江戸初期の創建時の姿を

とどめていたとされます。

 

鼠多門・鼠多門橋

 

そうしたことから、鼠多門の復元は、

自ずと江戸初期の姿となりました。

 

これは、金沢城の復元事業でも、

非常に珍しい復元となります。

 

400年近く前の姿に復元された

鼠多門で、江戸初期の風を

感じてみては如何ですか?

 

鼠多門橋も復元

鼠多門橋のライトアップ

鼠多門と同時に、

金沢城玉泉院丸と尾山神社をつなぐ

鼠多門橋も復元されました。

 

鼠多門は、

幅5.5m、長さ29mの木の橋。

3本の木で1基の橋脚を

構成しています。

 

鼠多門橋

復元された鼠多門橋

 

鼠多門橋

鼠多門橋の下には車道と歩道

 

鼠多門橋の橋脚

1基の橋脚は3本の木で構成されています

 

金沢城内にはいくつもの橋がありますが、

鼠多門橋は、金沢城内では最大規模の木橋。

 

鼠多門橋

鼠多門から尾山神社側を見た鼠多門橋

 

復元されたばかりの鼠多門橋は、

木の香りが漂い、

気持ちが落ち着くような場所になっています。

 

 

鼠多門・鼠多門橋の復元で「加賀百万石回遊ルート」が誕生!

金沢城公園 鼠多門橋

 

鼠多門と鼠多門の復元は、

名所を誕生させただけでなく、

新たな回遊ルートも誕生させました。

 

この回遊ルートは、

加賀百万石回遊ルートと

名付けられています。

 

このルートでは、長町武家屋敷跡~尾山神社~

鼠多門~金沢城~兼六園を周遊することが出来ます。

言わば、金沢の藩政時代の歴史を巡るルート。

 

金沢武家屋敷跡

武家屋敷跡界隈

 

金沢城石川門

金沢城石川門

 

また、兼六園に隣接した本多の森公園も周遊出来ます。

 

本多の森公園には、

2020年に、日本海側初の国立ミュージアムとして

東京から移転してきた

国立工芸館がオープン。

 

国立工芸館

国立工芸館  写真提供:金沢市

 

本多の森には、

石川県立美術館や石川県立歴史博物館などもあり、

文化ゾーンとして、周遊してみては如何?

 

まとめ

今回は、金沢城に誕生した新名所 鼠多門の

見所・名前の由来などをご紹介しました。

 

新名所といっても、

金沢城の特徴を、伝統工法で

史実高く復元されており、

金沢らしさを感じることが出来ます。

 

金沢城に来られた際には、

鼠多門をご覧になって頂くことを

おススメします。

 

こだわりにこだわって復元された

鼠多門で、金沢の武家文化の

一端を感じられては如何ですか?

 

アクセス

 

マップ

施設名  鼠多門・鼠多門橋
住所 石川県金沢市丸の内1-1
電話番号 076-234-3800
営業時間

9:00~16:30 (最終入館は16:00)

2021年度は、毎日21:00までライトアップ(夜間開園)を行っています。

※夜間開園の入門口は下記に限られますので、ご注意を!

夜間開園入門口:石川門口・玉泉院口・鼠多門口

休園日 年中無休
入場料 無料
アクセス

城下まち金沢周遊バス北陸鉄道バス西日本JRバスまちバス

南町・尾山神社バス停から500m(徒歩7分)

 

金沢ふらっとバス 材木ルート

商工会議所バス停から300m(徒歩4分)

まちのり

①まちのり ポート11 尾山神社から280m(徒歩4分)

①まちのり ポート16 しいのき迎賓館・玉泉院丸庭園から350m(徒歩5分)

②まちのり ポート32  金沢商工会議所から400m(徒歩5分)

金沢市観光公式サイト https://www.kanazawa-kankoukyoukai.or.jp/spot/detail_50489.html

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