金沢・北陸の音色">
この記事では、心が癒される
小松市の観光名所「苔の里」
を紹介しています。
石川県の空の玄関口のひとつが小松空港。
小松空港からレンタカーで金沢や加賀温泉郷に
行こうと計画していませんか?
でも折角だから、
「小松の観光名所へも行ってみたい」
「ホテル ・旅館のチェックインの時間にはまだ早い。
時間を潰しがてら観光したいのだけど、近場で観光地はない?」
という思いも、頭の片隅にあったり。
そんなあなたに、小松市日用町(ひようまち)にある、
日本有数の苔むす庭や古民家・神社がある
「苔の里」をご紹介。
「苔の里」は、 小松空港から車で約25分。
小松駅・加賀温泉駅からは車で約20分。
と交通の拠点から比較的近い場所に位置します。
苔の里は、今では少なくなった古き良き日本の
里山の風景に出会うことが出来る、小松の観光名所。
そこでは、金沢の城下町の落ち着きとは異なる
心が癒される時間を過ごすことが出来ますよ。
苔の里というくらいですから、
苔が辺り一面を覆っています。
ただ、きっと、あなたの想像以上。
まるで、苔で出来た緑のじゅうたんが
敷き詰められているかのよう。
苔庭の豊潤な緑に息を飲みます。
苔むす場所独特のひんやり感と静寂感が、
身と心に気持ちよく染みわたります。
僕なんかは思わず、「日本人に生まれてよかった~!」
と思ったくらい。
息子も、「ここ、すごくない?」って言ってました。
ちなみに、日本のように苔そのものを鑑賞する国は、
世界的には希少なのだとか
日本庭園では、苔そのものが鑑賞の対象に
なっているだけでなく、
苔むす石も鑑賞の対象になりますよね。
日本庭園は、引き算の美を楽しむものと言われます。
枯山水のように、水を感じたいから水を抜いたり、
苔むし、朽ちていくさまにも美しさを見出すのが
日本人の感覚。
一方、西洋庭園は、足し算の美と言われます。
人の手で幾何学的に配置したり、芝を植えたりして、
造形美を楽しむのが西洋人の感覚。
苔の里では、苔は日本人の心の琴線に触れるものだと、
実感できます。
日本人の侘び寂び(わびさび)の
美意識に改めて気づかされます。
侘びとは、貧しくて粗なるもの・不足のなかに
心の充足を見つけようとする意識のこと。
また、侘びの動詞「侘ぶ」には、閑寂(かんじゃく)を
楽しむという意味が。
寂びは、本来、時が過ぎることによって朽ちたり、
劣化した様子のことを意味します。
そこから転じて、閑寂の中に、豊かさや深遠なものが
自ずと感じ取られる美しさのことを言うように。
「君が代」に唄われるように、日本において、
苔は長い時が過ぎることを意味します。
また、苔は、耕すなど荒らされていない地面や
ずっと動いていない石に生えているという
意識がありますよね。
つまり、長い時間、ひっそりとしている物静かな閑寂を
表すのが苔。
苔の里では、あなたも日常を離れた閑寂の中に、
侘び寂びにつながる日本文化の苔むすを体感出来ます。
苔むす古民家や神社、杉木立、庭を鑑賞できる
苔の里の風景は、ジブリの作品に出てきそう。
どこかなつかしささえ感じられます。
ジブリの作品でよく言われる特徴のひとつが、
どこかなつかしさを感じるというもの。
日本の里山の原風景が残されているのが、
苔の里。
そこでは、あなたもきっと、
なつかしいという感覚に
出会うことが出来ますよ。
僕は、苔の里のどこかなつかしい里山の原風景に
やすらぎや癒しを感じます。
あなたはなつかしいという感覚に、
やすらぎや癒しを感じることはありませんか?
「ノスタルジー普遍の法則」という言葉があります。
人は、未来の不確定さよりも、過去やなつかしいという
心理にやすらぎや癒しを感じる傾向が強いのだとか。
実際、テーマパークのプランナーたちの間では、
未来や宇宙をテーマにした施設の成功率は低い、
というのは常識なんだそうです。
なぜなら、人は経験したことがないことには、
想像力が働くにくいから。
あなたも、苔の里で、
心がやすらぐ、普遍のノスタルジーで
癒されてみませんか?
ジブリの世界のような風景が広がる苔の里は
私有地であったり、
神社境内であったりと、
人々の実生活の中で、
維持管理されています。
苔の里がある日用町では、確認されているだけで
48種類の蘇苔類が存在。
※蘇苔類(そんたいるい):コケ植物のこと
これだけの多様な苔が育まれているのは、
苔の里がある小松市日用町が、
山あいの谷筋にあることや、
北陸の気候が作用しているため。
しかし、忘れてならないのは、人間の手が
はいっているからこそという側面。
苔の里で印象的な杉木立は、
まっすぐになるように枝打ちをしたり、
間伐を行うなど、
丁寧に人の手が入れられています。
間伐を行うことによって、
地表面に日陰・半日陰・日なたの環境を作り出す。
その結果、その環境に適応した多様な苔が
育つことにつながります。
逆に言うと、人の手が入らないと、
多様な苔は生まれないし、
育つことも、維持することも出来ないということ。
まさに、苔の里は人の手を入れる日本の里山そのもの。
平成27年11月、眞子内親王殿下が、
苔の里をお訪ねになられています。
その際に感じられたことを、
「平成28年歌会始の儀」で、
お歌にお詠みに。
広がりし 苔の緑のやはらかく
人々のこめし 思い伝はる
苔庭いっぱいの豊潤な緑の広がりだけでなく、
苔のたわやかさにも触れられています。
また、丹精をこめて手入れをしている
人々のその思いが伝わってくるように感じられる、
と詠われています。
様々な一流に触れられることが多い
眞子内親王殿下にとっても、
苔の里はお心を捉える印象に残った
風景だったのでしょうね。
苔に限らず植物には、癒しやストレス解消の
効果があるとされています。
あなたも漠然と、植物は癒しの効果が
あるんじゃないかと、感じませんか?
実際に、ノルウェーの大学で、職場に観葉植物を置く
実験が行われたことがあるそうです。
その結果、身体的には、頭痛・咳・肌の乾燥が軽減。
疲労感やストレスも軽減したという結果が得られたとのこと。
また、アメリカや北欧では、1950年代から、
園芸が園芸療法として、セラピーに取り入れています。
現実の医療に取り入れられているんですね。
やっぱり、実際に植物には癒しやストレス軽減の
効果があるんです。
苔の里にある人工的に作られた築山(つきやま)に向かう
苔の様子は、まるで築山を緑の柔らかい毛布で
優しく覆っているかのよう。
ふと気づくと、苔の緑の海原の中に
立っているかのように感じられます。
自然と、心穏やかに。
苔の里では、金沢の武家屋敷で感じられる
落ち着きとはまた違った心の落ち着きを
感じられます。
金沢に住んでいる僕には、
金沢の武家屋敷の落ち着きは、
立ち騒ぐ心を穏やかにしてくれるように感じられます。
金沢は武家文化が色濃く残されている街です。
僕には、落ち着いた雰囲気の金沢の武家屋敷は
武士たちの血気にはやる気持ちや、
殺伐とした気持ちを抑えるように作られているのでは?
と、感じられる時が。
武家屋敷跡 野村家の庭園をおすすめするこれだけの理由
一方、苔の里では、自然の力が
やすらぎや疲れたり、傷ついた心を
癒す作用があるのでは?と僕には感じられます。
澄んだ空気・静寂・豊潤な緑の苔。
あなたも、苔の里で
たまには癒されてみてもいいんじゃないでしょうか?
苔の里では、道を挟んだ反対側に、
苔盆栽の販売所があります。
苔の里のやすらぎや癒しを連れて帰りたいなら、
購入してみてもいいかも。
苔の里で、侘び寂びにも通じる
「苔むす」を実感。
日本の里山の原風景があなたに
なつかしさを感じさせ、やすらぎや癒しを
もたらしてくれるでしょう。
そんな苔の里は、小松空港から
車で20分ほどの距離。
癒しの空間を楽しみに、立ち寄ってみて下さいね。
住所 | 石川県小松市日用町寅71付近 |
入園可能時間 | 9時~16時 |
休園日 |
荒天日 12月中/下旬~3月上/中旬・ 8月中旬 ※上記以外に都合により、 鑑賞出来ない場合もあります。 |
料金 (景観整備協力金) |
500円/小中学生200円 ※個人や家族など数名の場合は、 駐車場奥の料金箱にお金を入れて、 自由散策となります。 |
その他 |
土・日・祝の10時・13時45分に 個人や数名での来園者向けにガイドが 行なわれています。 ※予約不要 ※都合によりガイドを行っていない 場合もあります。 |
個人・家族での 来訪お問い合わせ |
日用苔の里整備推進協議会 TEL:090-7083-6969 |
苔の里へは車でアクセスすることになります。
車でのアクセスは、以下の通りです。
日用神社一帯を含む苔の里は、関係者の私有地です。
鑑賞目的の立ち入りを限定的に認められたものです。
民家への立ち入りは出来ません。
立ち入りが許可された場所のみで
鑑賞してください。
苔の里には駐車場が用意されています。
収容台数は乗用車10数台分。
「苔の里 日用町℗」と書かれた緑色の看板が目印。
一応、地元の小松バスの停留所はありますが・・・。
運行は土日祝のみ。
12月~3月は土日祝も運休です。
車で行った方がいいですよ。