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金沢 長町武家屋敷跡界隈 意外な水の都

 

古い町並みが残る金沢。

その古い町並みには、加賀藩の藩政時代の
名残が色濃く残されています。

 

兼六園や武家屋敷跡などの
金沢の観光名所の多くは、
藩政時代の武家文化の名残です。

 

そんな武家文化の金沢は、
用水が張りめぐらされた
水の都であることを
あなたはご存知ですか?

 

兼六園や武家屋敷といった
武家文化だけでなく、
加賀料理などの食文化も
支える金沢の用水をご紹介します。

 

金沢は道を切り開く 

金沢 武家屋敷跡 足軽資料館側の用水

長町武家屋敷跡 足軽資料館そばの大野庄用水

 

実は、金沢は全国でも有数の用水都市。

 

その数は、実に55。
長さはすべて合わせると
150kmにもなります。

 

実際に、金沢の用水を見て頂くと
分かりますが、
水量豊富な用水が多いのが特徴。

 

これら金沢の用水は昔からの姿を
そのままを保存しているというだけではありません。

 

金沢市内の用水の様子

武家屋敷跡から少し離れた場所でも、用水と水音は日常の風景

 

わざわざ開渠(かいきょ:道路などで覆われた水路の覆いをとること)
をして、表に出しているのも特徴

 

多くの街では、生活の便をよくするために
暗渠(あんきょ:水路を地下化したり、覆いをかぶせること)化
するのが一般的だと思います。

 

暗渠化により、道を通したり、
道を広げるなどを行います

つまり、

 

道を切り拓く

 

のが、一般的。

 

金沢では逆に覆いを開く、
開渠化を進めてきました。

 

つまり、金沢では、
道となっていた暗渠を開くことも
行なってきました。

 

道を切り開く。

 

このことが、金沢を
用水の街たらしめてると言えるんです。

 

用水は金沢の観光名所に欠かせない

 

旧加賀藩士 高田家跡前の用水

旧加賀藩士 高田家跡前の様子

 

金沢の観光名所として挙がるのが、
兼六園や長町武家屋敷跡ですよね。

 

また、武家屋敷跡がある長町から
金沢の繁華街香林坊を
つなぐ通りは「せせらぎ通り」。

 

ここは、個性的なショップや
飲食店が建ち並ぶ、
通りとなっています。

 

これらは、金沢の用水とは
切っても切れない関係なんです。

その用水と関係をご紹介。

 

兼六園と辰巳用水

 

金沢兼六園

 

兼六園の曲水や池には、
辰巳用水からの
水が使われています。

 

兼六園のシンボルでもある
徽軫灯籠(ことじとうろう)がある
霞ケ池の水は、辰巳用水から
引き込まれたもの。

辰巳用水は、元々は
金沢城の飲み水確保と防火用、
防御の為に堀を水壕化するのが
目的だったとされています。

 

金沢城大手堀のライトアップ

金沢城大手堀のライトアップ

 

兼六園以外では、
金沢駅のもてなしドームの水路でも、
辰巳用水からの水が流れています。

 

長町武家屋敷と大野庄用水

 

金沢武家屋敷跡の用水

長町武家屋敷跡の土塀沿いを流れる大野庄用水   写真提供:金沢市

 

長町武家屋敷跡の土塀に沿って流れるのは、
大野庄用水。

 

ミシュランガイドで、2つ星を獲得した
武家屋敷跡 野村家の庭園。

 

その野村家庭園の曲水の水は、
そばを流れる大野庄用水からの
水を引き入れたものなんです。

武家屋敷跡野村家の庭園

武家屋敷跡 野村家の庭園の曲水も、用水の水が使われる

 

野村家だけでなく、他の武家屋敷でも、
庭園の池に、大野庄用水の水を
引き入れています

 

いわば、金沢の武家文化の一端を
支えてきたのが、

大野庄用水なんです。

 

せせらぎ通りと鞍月用水

 

金沢 せせらぎ通りの風景

鞍月用水沿いのせせらぎ通り   写真提供:金沢市

 

個性豊かなショップが建ち並ぶのが
せせらぎ通り。

 

そのせせらぎ通り沿いに流れるのが、
鞍月用水です。

 

香林坊などで、開渠を行い、
次々に用水が復活。

 

明治時代は、世界遺産 富岡製糸場に次ぐ、
日本2番目の規模を誇った
金沢製糸場の動力源として
使用されていました。

 

鞍月用水の様子

金沢製糸場の動力源としても使われた鞍月用水

 

武家社会が崩壊し、
明治時代の金沢の近代工業化を
支えたのが、鞍月用水なのです。

 

そんな鞍月用水が流れるせせらぎ通りの
ショップをのぞきながらの
散策もおすすめ。

 

鞍月用水の水音を聞きながらの散策は、
時間がゆっくり流れるような

気分になれます。

 

加賀料理も支えた用水

 

加賀料理の例

写真提供:金沢市

 

金沢の街で看板なんかで見かけるのが、
加賀料理の文字。

 

加賀料理は料亭料理とされます。

 

しかし、元々は藩政時代に
客人を招いて、もてなす
武家社会の社交イベントがルーツ。

 

その加賀料理は、舌で料理を楽しむだけでなく、
目で供される食器や、設えられた庭なども
楽しむ料理なんです。

 

意を用いた庭園の曲水や池には、
用水の水は必要不可欠だったのです。

意を用いた庭園で客人の目を楽しませて、
料理も楽しんでもらう。


ひょっとしたら、金沢で用水が発達していなければ、
現在の加賀料理は残っていなかったかも知れませんね。

 

金沢での用水の使われ方

 

金沢市内の用水の様子

 

金沢の用水は、金沢城の飲料水の確保、
堀の水濠化や兼六園・武家屋敷の
曲水・池の為といった武士階級の為だけに
設けられた訳ではありません。

 

他のいろいろな使い方もご紹介。

 

友禅流し

 

友禅流し

友禅流し  写真提供:石川県観光連盟

 

金沢の伝統工芸のひとつが加賀友禅。

 

その加賀友禅の工程で、
生地についた糊や余分な染料を洗い流すのが
友禅流しです。

 

以前は、現在のせせらぎ通りに沿う
鞍月用水で行われていました。

 

ちなみに、友禅流しは、金沢を流れる
浅野川や犀川といった河川でも
行なわれていました。

 

浅野川の友禅流しの様子

浅野川での友禅流しの様子  写真提供:金沢市

 

この友禅流しは、金沢の冬の風物詩。

現在では、川で友禅流しを行うことは
少なくなりましたが、
運が良ければ、浅野川で行われる

友禅流しを見ることが出来ますよ。

 

木材運

 

金沢城 石川門のライトアップ

金沢城築城の際、材木を用水で運搬

 

金沢城の築城の際に、
大野庄用水を用いて、

材木を運搬したそうです。

 

金石港から木倉町まで、
直線距離で7km程にもなります。

 

現在は、飲食店が建ち並ぶ
金沢中心部の木倉町には、
材木蔵があったため、
そこで荷揚げされていたそうです。

 

防火

 

金沢市の消防出初式

金沢の正月の風物詩 消防出初式  写真提供:金沢市

 

藩政時代の城下町は、
当然、木造建築物だらけ。

火事が起こった際の消火用に
使われるだけではありません。

 

用水路を張りめぐらした結果、
延焼を防ぐ、防火帯としても
機能しました。

 

消雪

 

金沢の豪雪

最近は少ないが、それでも金沢は豪雪地帯に指定されています

 

金沢はご存知の通り、
積雪が多い豪雪地帯にあります。

また、金沢は城下町であるがゆえに、
小路が多い街でもあります。

 

このふたつが組み合わさると、
問題になるのが、
雪すかし時の
雪の捨て場所。

※雪すかし:雪かきの石川の方言

 

現在でも金沢では、雪すかし時に出た雪は、
用水に捨て、用水の水で消雪しています。

現在でも、用水は重要なインフラとして
機能しているんです。

 

まとめ

 

  • 金沢では、用水をわざわざ開渠している
  • 金沢の用水は、武家文化と近代工業化とは
    密接に関係している
  • 用水は、加賀料理にも影響を与えている
  • 金沢の用水は、多用途に使われ、
    現在でも重要なインフラとして使われている

 

金沢の文化を支えてきた用水を
流れる水音を聞きながら、

金沢市内を散策するのもおススメ。

 

せせらぎの水音は、母親の胎内で聞く音に
似ているといわれるそうです。

 

心が癒される水音を
聞きながら、金沢の文化を支えた
金沢の用水沿いを
散策してみては如何ですか?

 

 

辰巳用水

 

大野庄用水

 

鞍月用水

 

 

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