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金沢名物『かぶら寿司』。縁起物として金沢市民に愛されるご当地グルメ。

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金沢の冬の味覚で思い浮かぶのは、加能カニ・香箱ガニといったカニや寒ブリじゃないでしょうか?

もちろん、これらも金沢の冬の味覚の代名詞。

 

それらに加えて、金沢の冬の味覚の代名詞として、金沢市民が思い浮かべるもののひとつが、「かぶら寿司」。

 

この「かぶら寿司」は金沢市だけでなく、石川県全体と富山県でも愛されている冬の味覚なんです。

 

今回は、その「かぶら寿司」をご紹介。

 

 

金沢の冬の雷がかぶら寿司の旬を告げる

11月中旬から12月にかけて、北陸では雷と強い風の悪天候に見舞われます。

 

金沢がある石川県と隣の富山県では、特に風と雪を伴った雷のことを「鰤(ブリ)おこし」と呼んでいます。

このブリ起こしは、北陸の冬が始まる合図とされています。

 

 

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北陸の冬の始まりを告げる「ぶりおこし」。

 

北陸にブリおこしと呼ばれる冬の雷が鳴り響くと同時にやってくるのが、寒ブリ。

だから、石川県や富山県では、風と雪を伴った雷を「ブリおこし」と呼びます。

 

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ブリおこしが鳴ると冬の訪れとブリがやって来る合図です。

 

一方、寒ブリと時期を同じくして、陸の寒さで甘みを増すのがカブ。

 

関西のある年齢以上の人はわかると思いますが、京都の千枚漬けのCMが流れてたのは冬じゃないですか?

 

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かぶらも冬に旬を迎える

 

そのカブも冬に旬を迎えます。

 

このカブを、金沢もそうですが、主に関西地方を中心に「かぶら」と呼びます。

そして、冬になると金沢の食卓に上がるのが、この旬を迎えるブリとかぶらを使った「かぶら寿司」なんです。

 

かぶら寿司はなれ寿司の一種

 

かぶら寿司と聞くと、シャリの上に、ブリとカブが鎮座してるにぎり寿司を想像しませんでしたか?

 

実物は、にぎり寿司とは全く違います。

もうビジュアルは完全に漬物。

 

材料はブリとカブ以外に野菜も使います。

 

やっぱり、漬物?

 

かぶら寿司の正体は、なれ寿司です。

 

 

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金沢の冬の味覚「かぶら寿司」はなれ寿司の一種。    写真提供:金沢市

金沢のかぶら寿司とは?

 

金沢で寿司と言えば、当然にぎり寿司を思い浮かべるますよね?

甘エビ、ブリ、ノドグロ、カニと新鮮な魚介類の宝庫でもあり、回転すしのレベルが高いことでも有名です。

 

実は、金沢がある石川県は、魚介類の宝庫であると同時に、発酵王国でもあるんです。

 

冬の気温が低い石川県の気候は、低い温度を維持するという発酵の条件にはうってつけ。

 

また、米どころでもあるため、糀や糠が簡単に手に入る上に、能登の塩田に代表される様に海にも近く、塩の入手も容易でした。

 

 

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海が近く塩が手に入りやすく、米どころという条件がかぶら寿司を生む。  写真提供:石川県観光連盟

 

冷蔵・冷凍技術が貧弱だった昔に、大量に水揚げされる魚介類を保存する方法として発達したのが、発酵保存だったのです。

 

そのなかで石川県で生み出されたのが、「かぶら寿司」であり、「ふぐの子の糠漬け」といった発酵食だったということです。

 

 

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「ふぐの子の糠漬け」も石川県の発酵文化の代表    写真提供:石川県観光連盟

 

 

かぶら寿司の歴史

 

元々は江戸時代の初めころから作られていたといわれていますが、詳しいことは分からないそうです。

 

その江戸時代には、ブリが、金沢がある加賀藩から徳川将軍家に献上されているほどですので、貴重なものだったことが分かります。

 

一方のかぶらも収穫時期が冬に限定されるため、貴重品とされていました

 

この貴重品2品を使ったかぶら寿司は、武家文化で栄えた金沢では、武士階級が、お歳暮や年初の贈答として用いられていたそう

 

 

ブリは、成長に伴い、ハマチ→メジロ→ブリと関西では呼ばれるように出世魚として有名。

出世魚は縁起が良いとされ、そういったことから、出世魚のブリを使ったかぶら寿司は、金沢の武士階級間の贈答に重宝されていました。

 

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武家文化が栄えた金沢では、武士階級の贈答に「かぶら寿司」が重宝されました。

 

ちなみに庶民は、ブリの代わりにニシン、かぶらの代わりに大根を使った「大根寿司」を食べていたようです。

 

※発祥については、庶民が貴重なブリを隠れて食べるために、カブに挟んで食べるようになったのが「かぶら寿司」の始まりとも言われてます。

 

 

かぶら寿司の作り方

 

かぶらに切り込みを入れて、塩に漬けます。

ブリも塩漬け。

そして、切り込みを入れたカブにブリを入れます。

 

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「かぶら寿司」は米どころの石川県らしく、米糀に漬けます。

 

 

 

その後、米糀に漬けて、ニンジンを入れ、重しを載せ、寝かします。

1~2週間漬けて出来上がりとなります。

発酵食のわりに、米糀に漬けておく期間が短いのが特徴的。

 

ちなみに、「糀」って、「こうじ」と読みんですが、この漢字は、米にしか使いません。

米以外の麦などの場合は「麹」と書きます。

 

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かぶら寿司は米の糀に漬けます。

 

かぶら寿司は最近ではめっきり少なくなりましたが、ひと昔前までは、各家庭でも作られていたんですよ。

今では、多くの家庭の食卓には市販品が上ります。

 

各家庭で作っていた際は、家庭ごとに作り方が微妙に違っていたり、地域のよっても作り方が異なっていたそうです。

甘酒にブリをくぐらせたり、酢で調整したり、とその家庭や地域の味というものがありました

 

 

 

米糀がついたまま出てきますので、その姿にはじめは驚かれると思います。

 

味は独特な為、他に例えることは難しい

 

かぶらのサクサク感と塩漬けで引き出された甘み。

塩漬けした、脂がのったブリの塩気と旨味。

米糀の発酵したコク。

 

芳醇という言葉がぴったり

一見、酒の肴のようですが、意外とご飯との相性もいいんですよ。

 

現在の金沢のかぶら寿司

 

現在の金沢では、先程述べたように、最近は市販品が多くなっていますが、今でもお正月など、ハレの日に各家庭では食べられることが多い郷土料理です。

 

かぶら寿司は、冬にしか仕込むことが出来ない、金沢を代表する冬の味覚として君臨し続けています。

 

また、現在でも贈答品として重宝されるなど、金沢のみならず石川県の冬の逸品でもあります。

 

まとめ

 

かぶら寿司が作られるのは、11月~1月ころまで。

まさに、かぶら寿司は金沢の冬の郷土料理です。

 

日本海で豊かな水揚げを誇る脂ののったブリと、発酵王国の知恵が結びついたのが「かぶら寿司」です。

 

ご家庭で食べるのも良し。江戸時代から伝わる縁起の良い贈答品としても良しの石川県を代表する逸品を是非味わってみては如何ですか

 

金沢の冬の味覚「かぶら寿司」。おすすめです。

 

 

 

金沢市民の食卓に上がる冬の味覚「かぶら寿司」。縁起物として贈答用にも。

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